ただなんとなく絵を描いて文章をつけてみた(オーロラなる第6作目)

「掃除をする若人」

 

 

あれはなんだったんだ。

僕はあの本屋があるカフェの窓際でただ小説を読んでいた。
夕暮れ時のカフェでお客さんもまばらだった。
突然隣に座って来たかと思ったら僕の手を掴んできた女性。
20歳くらいで大人しい感じの若い女性。
何を言うでもなく彼女はじっと僕を見つめてただ黙っている。
その目はこれから重大な告白をしようとする目だ。

1分程くらいそうしていただろうか(実際には10秒くらいしか経っていなかったかもしれない。)

彼女は突然我に返ったように瞬きをし、さっと手を放し身を整えて背中を向けて何も言わずに去っていった。監督にカットを告げられた役者のように

 

なんとなく絵を描いてみた(渾身の第5作目)

 

「白いスバルフォレスターの男」

 

その男は夕暮れの時の閑散としたカフェの奥の席から私を捉えていた。

その男の目は私に「お前がどこで何をしていたか知っているぞ」と訴えているようだった。

 

 

 

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参考資料:「騎士団長殺し村上春樹

なんとなく絵を描いてみた(ささやかな第4作目)


「紺のジーンズの女」

 

 

私が魚市場で働くようになったのはなんでだっけ?
内向的で人見知りな私と魚市場はどうしたって結びつかないと思うの。

ま、いいか。忘れちゃった。
おじさんたちは優しいし。
たまにぐいぐい距離を縮めて来て困る時があるけれど。

なんとなく絵を描いてみた(ささやかな第4作目)


「紺のジーンズの女」

 

 

私が魚市場で働くようになったのはなんでだっけ?
内向的で人見知りな私と魚市場はどうしたって結びつかないと思うの。

ま、いいか。忘れちゃった。
おじさんたちは優しいし。
たまにぐいぐい距離を縮めて来て困る時があるけれど。

なんとなく絵を描いてみた(さんざめく第3作)

2023年8月制作

「夕暮れ時のコーヒーショップ」

 

 

 私は先月からカフェでアルバイトを始めた。金沢にある大学の2回生で心理学を専攻している。大学は夏休みに入り私は時間を持て余していたところ、たまたま入った本屋でアルバイトのチラシを目にしてやってみようと思った。私はとくにすることがない時はなんとなく本屋に行く。本屋は私の心をときめかせてくれる。大量に陳列された本の数々や文房具に囲まれていると落ち着くし、軽い興奮を覚える。同じ年ごろの女性が新規オープンしたファッションブランドのお店で感じるものと近いのかもしれない。あるいはもっと甘美な刺激、官能的興奮も若干ではあるがそこには含まれている。

あと本屋の中のカフェの雰囲気も好きだ。コーヒーの香ばしい匂いも好きだし店内に流れるジャズを聴きながらいろんな人が思い思いに自分の世界に浸っている。その空気がたまらない。

だから本屋でアルバイトのチラシを目にしたときに考える前に私の中に電撃が走った。これは比喩でもなんでもない。目には見えないが私は本当に雷に打たれたのだ。いうまでもなくその衝撃は私を興奮させた。

神様の導きだったんだろう。その時はまさかこんなことが起こるなんて思いもよらなかった。