なんとなく絵を描いてみた(さんざめく第3作)

2023年8月制作

「夕暮れ時のコーヒーショップ」

 

 

 私は先月からカフェでアルバイトを始めた。金沢にある大学の2回生で心理学を専攻している。大学は夏休みに入り私は時間を持て余していたところ、たまたま入った本屋でアルバイトのチラシを目にしてやってみようと思った。私はとくにすることがない時はなんとなく本屋に行く。本屋は私の心をときめかせてくれる。大量に陳列された本の数々や文房具に囲まれていると落ち着くし、軽い興奮を覚える。同じ年ごろの女性が新規オープンしたファッションブランドのお店で感じるものと近いのかもしれない。あるいはもっと甘美な刺激、官能的興奮も若干ではあるがそこには含まれている。

あと本屋の中のカフェの雰囲気も好きだ。コーヒーの香ばしい匂いも好きだし店内に流れるジャズを聴きながらいろんな人が思い思いに自分の世界に浸っている。その空気がたまらない。

だから本屋でアルバイトのチラシを目にしたときに考える前に私の中に電撃が走った。これは比喩でもなんでもない。目には見えないが私は本当に雷に打たれたのだ。いうまでもなくその衝撃は私を興奮させた。

神様の導きだったんだろう。その時はまさかこんなことが起こるなんて思いもよらなかった。